ツバメの読書ブログ

読書記録や旅行記を中心に。

スーパー自鳴琴!(Marble Machine) / 音楽

たまったま見つけて大感動!
もう、画面の前で凄さにニヤけてニヤけて!笑
よくヨーロッパ等では教会前の広場等で手動式の自鳴琴を回すおじさん(おばさんはそういえばあまり見かけたことが無いのはどうしてだろう?)を目にするが、それを現代音楽に適するようにアレンジしたスーパーマシン!


ちなみにこの奏者(Wintergarden)は他にも数々の現代風オルゴールを生み出しているらしい。

パチンコ玉など、身近なものを組み合わせているのが面白い!

リンクを貼っておきます。音色を是非聞いてみてください!

Wintergatan - Marble Machine (music instrument using 2000 marbles)


髪(作:織田作之助)

この作家、意外と知らない人も多いらしい。
代表作の「夫婦善哉」の作者と聞いて、やっとぼんやり「あ~聞いたことある!」となる人も周りにいる。
随分前に初めて読んだ時に一読で気に入ってから、片っ端から彼の作品を読み漁った。
彼の作品は独特の”ゆるさ”を持っており、テンポが良いと思う。
また、ドロドロとした暗さは無く、あたたかくたくましく生きる人々の姿がとても魅力的に描かれている。大阪出身であったことから、地元を舞台にした作品が多いが、大阪らしい人情やたくましさを感じて、読んでいるとふと励まされた気持ちになっている自分がいる。


さて、数ある織田作之助の作品の中でも、私が抜群に心を鷲掴みにされたのが「髪」という短編作品。
これは彼が生涯彼がこだわり続けた「長髪であり続けること」をテーマに、「髪」に纏わる経験の数々を記したものである。
 高等学校に入ったとたんに髪を伸ばし始めた織田作之助。というも、頬骨が高いことがずっと気になっており、それを隠すには髪を長くするのが良いと思ったからだそうだ。
そして、この嵐でもピクリとも動かせないような彼の「髪を短くしない」という信念がその後戦争突入(徴兵の有った時代...長髪のまま徴兵検査を受けに行った織田氏...まさに武勇伝!笑)、戦後様々なトラブルを巻き起こす。


髪にちなんだ作品は他にも色々読んできたが、魯迅 の『髪の話』も強烈だったな~と思い出す。息子の辮髪を切るべきか悩み抜く母親の心情が描かれている物語だ。
ともかく、髪は身体の一部でありながら煮ても切っても痛くもかゆくもないのに、その髪型一つで時に迫害にあったりひどい目に合わされる可能性をはらんでいる点で、とても不思議なものなのは間違いない。
昔断髪令で髷を切った侍たちだってかなり葛藤したのではないか。髪は社会の中でシンボル(社会と協調する意思表示だったりすることが多いだろう)として選ばれやすい部位なのかもしれない。


ちなみに、織田作之助は年齢より老けて見える自分のことを作中で「マルセル・パニョルの「マリウス」という芝居にピコアゾーという妙な名前の乞食が出てくるが、この人物はトガキによれば、『この男年がない』ということになっている」そして、自分をピコアゾーだと言っている。自分の作品にも若さが無いから、まだ三十三歳なのに、よく読者から老人じゃないかと思われることがあると笑
(「そう思われても無理からぬことである」と言っているのが彼の優しさを感じさせる)
※マルセル・パニョルの「マリウス」は映画になっているので、ご紹介までリンクを貼っておきます。日本語字幕版が見つからず、原語のフランス語版で恐縮ですが。

Marius 1931 Raimu Pierre FRESNAY


更に、この織田作之助と言えば、自由軒のカレーをこよなく愛していたことでも有名だ。
今でも自由軒本店には、「トラは死んで皮をのこす/織田作死んでカレーライスをのこす」と書かれた額縁入りの写真が、今でも大切に飾られているらしい。
次回大阪に行ったときは絶対に立ち寄りたい!

C'est Une Belle Journee (Mylène Farmer) / 音楽

音楽を聴いていて「わお!」と思わずスタンディング・オベーションしたくなる瞬間が有る。しかも、その音楽は日本からとても離れた所で生まれたリズムだったりすることが有って、昼と夜がひっくり返るくらい遠い所で生まれた旋律にもこんなに心が震えることがあるのかと、旋律と鼓動の高鳴りのシンクロに不思議な気持ちになったりする。


Mylène Farmer(ミレーヌ・フェルメール)はカナダ生まれでフランスで主に活躍している女性歌手だ。1984年に活動開始してから30年以上のキャリアを持っている。
このミレーヌの凄い所は大御所でありながら、全く古臭さを感じさせないところだ。
現在でも不老不死なのではと疑ってしまう程お綺麗だ笑
そして、常に進化し続けている。というより、新しくて面白いことに積極的に挑戦している。


「C'est Une Belle Journee」(邦題「素晴らしい一日」:2013年ライブツアー版)では、ライブでなんとダンス・ロボットを採用している!私はダンス・ロボットの存在すら知らなかった。
音楽に合わせて動く、動く!笑 壊れるのでは、と心配になる程!
この馴染みのないダンス・ロボットに、若干の不気味さを感じながら恐る恐る見ていると、ミレーヌの美声と世界観にいつの間にか引きずり込まれて、調和された芸術の中に心震えていた。まるで魔法にかけられているみたいに!


以下のリンクはライブ映像とロボットのダンスです。弦楽器に合わせて踊る姿がカッコいい!
動画リンクの下に日本語歌詞を載せておきます。



Interlude des robots - Danse des Robots - Timeless 2013 - Mylène Farmer


C'est une belle journée  素晴らしい一日      《宇藤カザン訳》

横たわり、その体は死んでいる
多くの人には
それは眠れる男・・・
壺は半分満たされ
それは半分空だということ
苦もなくそれは見て取れる
人生を見る、その裏側を
おお、哲学よ
哀歌を教えて
幸せ
たくさんの欲望を持つ事で
幸せが私を怖れさす
私には、不整脈さえもあるわ


それは素晴らしい一日
私は眠りに就く
とても素晴らしい一日が終わる
愛したい気持ちを起こさせてね
けれども私は眠りに就くわ
永遠をしっかりと噛みしめること


それは素晴らしい一日
私は眠りに就くわ
最高の
とても素晴らしい一日
愛したい気持ちを起こさせてね
天使たちを足元に見ること
けれども私は眠りに就くわ
私を逃がして


横たわり、その体は死んでいる
多くの人には
それは眠れる男・・・
壺は半分満たされ
それは半分空だということ
もう一度私はそれを見る
恋においては
言い尽くされたことだけど
たとえ恋が重いもので
心が軽くても
哀歌はいつでもあるわ
歓びは長くもあり、短くもあり
あなた分かるかしら
すぐに息が切れる私なの
分かるかしら


それは素晴らしい一日
私は眠りに就くわ
最高の
とても素晴らしい一日
愛したい気持ちを起こさせてね
天使たちを足元に見ること
けれども私は眠りに就くわ
私を逃がして


美しい
人生は美しい
傷つけてはいけない
片方の翼のように
美しい
人生は美しい
けれど私はそこへと歩み出す
美しい
人生は美しい
けれども私の人生は
もぎ取られた世界
私の人生、私はそこへ入り込む
そして死は免れない、行きなさい 


それは素晴らしい一日
私は眠りに就くわ
最高の
とても素晴らしい一日
愛したい気持ちを起こさせてね
天使たちを足元に見ること
けれども私は眠りに就くわ
私を逃がして


それは素晴らしい一日
私は眠りに就くわ
最高の
とても素晴らしい一日
愛したい気持ちを起こさせてね
天使たちを足元に見ること
けれども私は眠りに就くわ
私を逃がして


そこに私は眠りに就くわ
私を逃がして・・・